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フォトダイアリー


California


感謝祭に合わせて西海岸に行ってきました。




50年代のビートジェネレーションの憧れの地であり、
その精神を引き継いだヒッピーたちの
活動の中心地であったサンフランシスコ。

今その街を歩いていると、
反戦や平等を叫んでいた頃の面影は
壁画や色とりどりの看板からしか感じられない、
大人の落ち着いた町になっている。

坂を上ったり降りたりしながら、
時に渋いカフェにたちよりながら、ひたすら歩く。






激しい坂と、そのおかげで作り出される美しい景観のせいだと思う。
生活感を感じるのは意外と難しい。

ロサンゼルスに移動して、
ロス在住のおばに最近オーガニックのシャンプーを使い始めて、
すごくいいと言うと、
ビバリーヒルズにあるオーガニック・ファーマシーに
つれていってくれた。




アイメイクとリップグロスを買って、
隣のPlanet blueというセレクトショップへ。

デザインが凝っているだけでなくて、
洋服が色分けされ並べられているのが楽しい。
オンラインショップでもshop by colorで好きな色から探せる。



車で移動中、
たまたま通りかかったカフェを指差すと、
おばが、「あれはただのヒッピーなオーガニックカフェよ」と言った。

サンフランシスコとLAの間で
セランディピティ(求めずしての予期せぬ素敵な発見)を発揮した瞬間。

そのカフェはUrth caffeといい、
本来Earthであるところを
urth と音声そのままに綴ったところがヒッピー風なのだという。




おばと一緒に有機栽培されたアースサラダを注文。
最初のオーガニックブームに火を付けたのは
実はヒッピーたちだと言うのだ。

そういえばヒッピーはフラワーチルドレンと言われたり、
仏教を学ぶものがいたり、
自然回帰が一つの大きな彼らの精神だった。

サンフランシスコをひたすら歩いた日、
イタリア人街で無意識にもこんなレコードをジャケ買いしていた。



フラワーな一枚。


ベートーベンPASTORAL SYMPHONY

店頭ラックでサンフランシスコのロック歌手ジャニスジョップリンの
Pearlを見つけてから、
パティースミスの両手の白いハトにPeaceを見出す。




自分でも知らずのうちに
サンフランシスコらしさ=ヒッピーらしさを求めていたのだ。

オーガニックという言葉には「生命の」「根源的な」という意味もある。

オーガニックな人物を映し出す写真があったとしたら、
その人の顔は朝日や夕日で照らされているのだろう。

笑っているかもしれないし、
どっちとも判別つかない微妙な表情を浮かべているかもしれない。

人間本来の姿。

その日見つけたジャニスのポストカードには
本来の彼女の姿を見つけられそうな笑顔がある。

生まれながらにして個性的であって、
何も付け足す必要がない、
人本来の価値を感じずにはいられない。

シャイな人物像が、
他の人から見たらチャーミングであるように・・・。





2009.12.9


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Deauville


パリから北西へ2時間の距離にあるドーヴィル。

この位置関係を知るためにここにきたのかもしれない。





初めてこの海岸を見たとき、
すぐに思い出したのは映画『潜水服は蝶の夢を見る』。

きっとこの海岸で撮影されたのだろうと思った。



しかし実際は、
その映画のポスターに写る家族の服が原色で、
海岸一体に拡がるパラソルの色と重ったにすぎない。

それでも確かにジャン=ドミニク・ボビーの家族を見た気がしたのだが・・・。






ドーヴィルは、
フランス北部のイギリス海峡に面する小さな街で、
美しい海岸がある。

パリから二時間という位置関係が私にとって重要だったのは、
ここが、映画『男と女』の舞台として有名で、
二時間という所要時間を知ることによって、
私はこの映画にやっと興味が持て、
日本に帰ってから見直し、ようやく内容が理解できたから。

というのも、
この物語は、
男が女をドーヴィルからパリまで車で送っていく所から始まり、
車の中での会話が多い。

女が電車でパリへ向かう間に心の変化があって、
エンディングを迎える。

この二つの場所の行き来にどれくらいの時間がかったか知るのは、
この映画の感覚を知る上で、
キャラクターの行動に共感する上で必要だったように思う。



それにしても、海岸から離れて、街を散策してみれば、
今度はミケランジェロ・アントニオーニ監督の『夜』を思い出したり、
この街は郷愁を誘う映画村のよう。


ロサンゼルスに行っても、ここまで映画のことを考えない・・・。
それとも考えているのかな。
過去の日記からすると・・。


予算がなかったため、
モノクロやセピアのシーンが混ざることとなったという
カラー映画は、
この夏実際訪れたことによって、
私の中で、本物のカラー映画になった。






2009.9.18


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我が至上の愛



この看板をパリのサンジェルマン・デプレでみたのは、
今から一年半前の2007年の夏。

思えば、あれから時間はゆったり流れるようになった。
時間があっという間にたってしまうということは、あまりなくなった。
正常に経っていっていくといえばいいのか・・・。
一年半前がすごく前に感じられる。

エリック・ロメールの映画だとも知らずに、
ビジュアルに引かれて、たまたまカメラにおさめておいたこの写真を
ここに載せることになるとは・・・。

名前も監督名も気に留めなかった
普通だったら過ぎ去ってしまう一枚の写真が、
その”牧歌的”という確固とした世界観のおかげで、
時間がたってもそれと似た質感の写真を見たら
思い出すことが出来るほどの力を持っていた。





この映画を初めてみたのはごく最近のこと。

ヌーベルバーグ特有といわれる
川の流れなど自然の音と人の声を同時に録音するというのが、
この世界に引き込まれた理由でもあると思うし、
あとは物語のシンプルなところ。

何かのおとぎ話に、この映画が扱っているテーマが置き換えられそうな気がするのに、
そのおとぎ話はなかなか見つからない。
ニンフが出てくるところがそう感じさせる。
5世紀フランスの物語だけど、現代的でもある。

私が特に好きなのは、この映画の終わり方。
まさに映画の一番の盛り上がりで、ブチッと音が聞こえてきそうなほど、
突然終わるのである。
そしてエンドクレジット・・。。
え・・・終わり?と観客全員が思う瞬間、
何かを共有したという確かな手触り。
映画館でみたほうが面白いのはそういうことだった。



この映画をきかっけにエリック・ロメールの以前の作品のひとつ、
『緑の光線』を観る。
「緑の光線」を、勝手に「緑の視線」と誤解して
Green eyeの女性が出てくると思っていた私。
鮮やかに期待を裏切られ(笑)、あまりに美しいその意味を知る。

水平線に日が沈む瞬間、太陽が水面に反射させる最後の一筋の光。
晴れた日はそれが緑色に見えることがある。

先日、鎌倉の浜辺で見た景色を思い出す。
あの時はまだこの映画を観ていなかった。
次は完全に陽が落ちるその瞬間まで水平線に目を凝らしていることになるだろう。

そのときは知らなかったことを今知っている、
それが私にはすごいことに思える。





2009.2.9

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Love 2009 

Happy New Year!!



“西部を車で移動”のイメージ。笑

年末年始はアメリカで過ごしました。
アリゾナ州Tusconからカルフォルニア州サンフランシスコまでを、
毎日いろんなところに寄り道しながらの旅。
旅はオールドタウンから始まる。
朝からターコイズのアクセサリーを見たり、
Cafeでツナサンドを食べたり、
ギャラリーでは、
黄金の草原に佇む黒いシルエットが美しい馬の写真を買った。





今回の旅のハイライトは
なんと言ってもサボテンがランダムに生える砂漠地帯を
馬に乗って散策できたこと。
馬って本当に美しい。目が優しいところが好き。

平らに見える砂漠地帯もところどころ丘になっていたりして、
軽く馬にギャロップされた時はびっくりしたけど、
西に傾きはじめたやわらかい光の中を、
砂のおかげで足音もしない馬の背の上で揺られながら、
全てと一体になっている感覚は
旅の全てに勝ってしまうくらい素晴らしかった。





ホテルのガイドで写真に引き付けられた、
Trail Dust Townも印象的だった。

午後4時から動き始めるこの夜の町は、
異次元的な魅力に溢れている。
どこか、映画「Big Fish」に出てくる小さな町を思い出させる。





確か、その町は、いったん迷い込んでしまうとなかなかでてこれない場所で、
詩人が好んで長く滞在してしまうような思案の世界を意味していた。

美しいけど、なんとなく寂しい場所。

頭の中だけで右往左往していても始まらない、
そこから一歩踏み出さなければならないというのが
あの場面のメッセージだった気がする。


Trail dust town では、
馬の顔が書かれた水色のケースに入ったハーモニカと、
ネイティヴアメリカンがひとつひとつ違うデザインを彫ったという
ドリームボックスを買った。

ドリームボックスは木でできた小さな丸い箱で、
紙に願い事を書いて入れ、
枕元に置くとかなうという!

なんとこれも馬の柄が二つ残っていて、
納屋から顔を出しているほうではなく、
自由な野生っぽいほうを選んだ。

町の一番 奥に
自分の名前を馬靴(蹄鉄)に彫ってくれるお店を見つけた時に
すぐに”My蹄鉄”を頼んだことは言うまでもない。





馬に縁がある・・と思いながらも、なんと言ってもここは西部、
カウボーイ発祥の地なのであった。


サンフランシスコでは友達と会ったり、
Top of the Markで踊ったり、
70%オフのセールにはしゃいだりした。


今年も素敵な一年にしましょう♪




Ciao


                      Mariko

2009.1.9

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